[映画]この世界の(さらにいくつもの)片隅に

名作漫画『この世界の片隅に』を原作とした2016年版の映画では、描ききれなかったリンさん関係のエピソードを主に追加した2019年長尺版『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』を観てきました!
なんと168分!なげーよ!
と思ったんだけど、飽きさせずにラストまで鑑賞することができました。
さすがです。

観る前は結構不安だったんですよね。
原作漫画はそれほど尺を気にしなくて良い媒体だから、色々なエピソードがあって良い。
でも、短時間勝負の映画であれもこれも盛り込んでしまうと、逆に消化不良を起こす危険性があるわけで。
特にリンさん関係のエピソードは原作でも気合い入れて読み込まないと、話の全体像が見えてこないくらい分りづらいし、物語の本筋には必ずしも必要ってわけでもない。
だから、そのへんバッサリ切った2016年版は、あれはあれで良い選択だったし話もわかりやすく収まっていました。
だから、下手に原作エピソード追加して蛇足になってしまうのではと心配してたんですよ。

でもそんなのは全くの杞憂でした。
それどころか、同じ原作作品なのに、こんなに異なる印象に変わってしまうとはねえ。
2016年版が、戦時下のかけがえのない家族の日常を鮮やかに描いた作品なら、
この長尺版は、戦時下を生きた一人の女性と彼女を取り巻く人々の青春物語といった趣です。

考えてみれば白木リンという女性は、すずさんにとって悩みを相談できる友人であり恋敵でもある複雑な役回りを担っています。
2016年版では、すずさんのそういった夫への愛情や葛藤、家族には言えない悩み等の話の重要部分を受け止めるべき役割がいなかった為、まあストレスでハゲができちゃったりは有りましたけど、全体として割とあっさり目に受け流せてしまっているというか、持ち前の「ぼーっとしとる」性格もあってどこか逞しい女性である印象すらあったんですね。
でも実際はかなり繊細に感じ取って、女性として妻としての問題に悩んでおり、
友人であるリンさんの存在によってそこがじっくり描かれるようになった結果、
映画の印象をガラリと変える結果に繋がったように思います。

ちなみに原作ですらわかりにくいリンさんと周作さんの関係ですが、
この長尺版では原作にはないオリジナルシーンも追加して状況説明してくれており、
一体二人の間に何があったのか、周作さんはどういう心情だったのかはっきり理解できるようになってました。
ていうか、原作でも何となく察するしかなかった部分なんだけど、
あれがこうの先生も認定する公式設定と受け止めちゃってもいいのかな?(;´Д`)
小林さんの奥さんがチャチャ入れなかったら、運命は変わっていたんだろうか。

追加シーンはどれも良い絵作りされていて、
九州弁がかわいいテルちゃんや、
ええ音鳴らしとる2000馬力の爆音(これはオリジナルシーン)や
暴風吹き荒れる台風エピソードもなかなかの見どころになってました。
濡れ場もパワーアップしてたり・・・
いや、なんていうか、キスの音が生々しかったんですけどw

ED曲も編曲版になっていて、鑑賞済みの人でも最後まで違いを楽しめるサービス精神が嬉しいね。

まあなんだかんだ長いので、一般の人にはオススメしませんが、
原作ファンなら是非に!


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