[映画]ドラゴンクエスト ユア・ストーリー

土曜夜にみるつもりだったけど、仕事が早く終わったので金曜夜に真っ先に観に行ってきました!
帰ってきて巷の感想を探してみたんだけど・・・え?なんなん?
みんなあのオチそのまま受け取って終わりなん?

この 大 バ カ 野 郎 ど も !!!

お前らは何にも分かっちゃいねえ!!
あのオチ、あの設定をみただけで終わってるからそんな感想になるんだよドアホウ!!!

いいか?あの設定だからこそ、あのキャラのあの行動がいかに重要な意味を持つか!
長年のドラクエファン、特にドラクエ5を熱く語ったファンなら
その重要性を・・・気持ちを・・・・分かってやれよおおおおお(滝涙)

以下、完全にネタバレしつつ、なぜ今回の設定で俺が身震いしたのかを語るっ!!

■序盤はとにかく退屈、なにこれクソ映画?

いやほんとつまんねえんだよ序盤

ドラクエ5をプレイした人がなら皆知ってるシナリオをただ淡々とこなしてるだけ
(ちょっと改変はあるけどほぼ同じ)
はいこのエピソード、はい次はこれ
フローラと出会ってもまるで予定調和のように顔真っ赤にする二人
会話もベタすぎてこっちがこっ恥ずかしくなる

何これ何これこれで2時間くらい拘束されんの?
こんなただ プログラムされた通りに動く人形劇 の何が楽しいの?
この時はそう思ってました・・・

■とあるキャラのとある行動から世界が生き始めた!

とあるキャラとは宿屋にいた「怪しい老婆」
この老婆はフローラと婚約した主人公に
「想い人は他にいるのだろう?」とまるで何かを見透かしたように囁く

何だこいつは?こんなキャラ知らないぞ?
ここまでは強引な展開でも「我々の知ってるドラクエ5」のレール上にあったから
違和感はそれほどなかった(その代わり予定調和過ぎてつまらないけど)
しかし、オリジナルにしても随分と唐突で強引に割り込んできた老婆に

「あーこいつで無理やりビアンカ路線にすんのか
話の都合で出したのかあほくさw」

と、まだこの時点ではこの映画を見下していた

しかしこの辺りから映画の印象がガラッと変わっていく

老婆から渡された「本心に気づける飲み薬」を飲んだ主人公は
自分の心にかけた「暗示」を解除して本当の想い人に気づいてしまう
ん?「暗示」?
なんだそりゃ?
そんなちょっとしたモヤモヤは解決しないまま
主人公は自分の意思で選んだビアンカへの素敵なプロポーズシーンへ続く
へえ、さすがにここはいい感じの演出じゃん
ちょっと映画の評価が上がる

そしてそれを見届けた老婆は裏路地へ去り变化の杖をかかげるとそこには・・・
なんとフローラの姿が!
やっぱりあの人には本当の想い人がいたのね
というような事を呟き寂しそうな顔をするフローラ

そう、全てはここだ
ここからこの映画は変わった
基本は皆が知ってる「ドラクエ5」の本筋に沿って進むんだけど
何かが先程と違うのだ
ただシナリオをおっかけているだけではなく
ちゃんと各キャラが自分の意思で行動しているかのような
生き生きとした劇に変わっている・・・そんな気がした

■中盤終わり頃には泣き出す俺

そのせいか自分の意識は序盤とはうって変わり物語の世界にのめり込んでいく

そしていつしか・・・
泣いてんの俺
うはwww
何で泣いてんの俺wwwww

「自慢の父親だね」

うっそwww
俺泣いてる何これwww
あの序盤のクソ人形劇どこいったオイwww

でもまあちょっと泣いたからってね
それで高評価下してやるほど俺は甘っちょろくありませんw

この時点でもまだ星3.5/5といったところでした正直

だってBGMの使い方とか下手くそだし
CG頑張ってるけど、ハリウッドCGアニメに比べると見劣りするしね・・・

まあバギマやメラゾーマ連打しながら戦う様子や
おなじみのモンスターが動きまくる映像には
ドラクエファン的にはかなり興奮できるんじゃないでしょうか
アクションは割と頑張ってましたよ

■賛否両論のオチ、俺も白けた…直後に驚愕した

ええ、自分も「何だよそれ、つまんねえ」って思いましたよ?
この世界はバーチャルコンピュータの世界
ただのリアル体験ゲームの世界
主人公はゲームの設定でリアルな記憶をなくしてプレイに没頭しているだけだって?
で?コンピューターウィルスがこのバーチャルな世界を壊しに来たと?

いやいやいや
ここまできて「はい全部ウソでしたー!」てやられても萎えるでしょ
おまけに
「いつまでもゲームやってんな大人になれよ」
とウィルスに言われてんのw
大スクリーンいっぱいにw

アイタタターーーー!
金払ってなんでそんな反論不能な説教聞かされなきゃきけないの?
お前は俺のお母さんかよ!
ちくしょうやっぱりこれクソ映画だこれふざけんな!

怒り心頭だった
後でblogでクソミソに貶してやろうと思った
ポップコーンを買ってたらここでヤケ食いしてやるところだったが
買ってないのでただ拳を握りしめて震えていた

映画では相変わらず映画の設定のネタバレ説明が続いている
ゲームプレイ開始時の主人公回想・・・

主人公「今度こそフローラ選ぶぞ」
ゲームのオペレーター「設定でフローラ選ぶように心にロック掛けられますよ」

そんな会話だ

ああ、暗示ってそういう事か
はんっ!うるせえよ
そんなロック、結局フローラに解除されてんじゃねえか

フローラに・・・・

・・・・

衝撃が走った

この映画の評価がまたしても変わった瞬間だった

そうだ、この世界はプログラムされた世界だった
確かにそういうオチだった

にも関わらず、だ
ゲームのキャラでありプログラムに支配されているはずのフローラは
設定によって封印した主人公の記憶をあの時解除してしまったのだ!

プレイ前のリアルな記憶を持ち判断した主人公の選択を
プレイ中記憶が封印され正しく判断できない状態で解除するなど
プログラムであれば許されない行為で
明らかにロボット(ではないが)3原則違反である

そして「暗示」の意味とそれを解除した重要性を
この最後のネタバレの瞬間にぶっ込んできた作り手の狙いを私は理解した

そうか、そうなのか、あの時からだ
ただ設定をなぞるだけの人形劇が
大筋の流れはあっても各キャラが自分の意思で動き出す世界に変わったのは

■長年のビアンカフローラ論争があればこそのメタネタ

思えばドラクエ5と言えば嫁論争である
一体どれほどのプレイヤーがこの論争で血を流してきた事であろう

イオナズン使えるからフローラだろ

嘘だビアンカだろ!

フローラの方が実家金持ちで助かるだろ

嘘だビアンカだろ!

やっぱりおしとやかな方が・・・

嘘だビアンカだろ!

しかし論争が続く割に接戦というわけでもなくなんだかんだビアンカ一強だったらしい
2回目プレイしても結局ビアンカを選んでしまうなんて話も定番であり
その為かドラクエ5リメイク版のCMで
「一番選ばれたのは私」
とビアンカがフローラにマウントとってしまう程の公式ネタにもなった

この映画の主人公も毎回どうしてもビアンカを選んでしまっていた
だから今回こそはと設定でフローラを選ぶようにしてゲームを始めたのだ
この辺りの「メタネタ」を投入した事自体は題材から自然だったといえる

だがそれを
この世界はバーチャルなゲームであると明確に認識させた上で
敢えてプログラム側のフローラから
「でもほんとは違うんでしょ?」
とNOを突きつけてきたのだ

このメタネタの回収にはやられた
本当にやられたと思った
いや、プログラム側からの反乱などよくあるネタかもしれない
しかし、これは、長年の嫁論争があった上での彼女からの回答なのだ
我々ドラクエファンが積み重ねてきた論争史
ドラクエ5じゃなければこれほどこのメタネタに重みは出ない

■素直な心で楽しんでこそ物語からも祝福される

大事なのは、本心でフローラを想っていたなら
それはそれでフローラも喜んだのだろうという事だ
彼女がNOを突きつけたのは、自分の心を封印したその行為に対してだからだ
ひょっとするとビアンカばかり選ばれた歴史に対する
ちょっとした嫉妬心も入り混じっていたかもしれないが・・・
でも彼女はゲームの実績埋めより本心による行動をとって欲しかったのだ

主人公は最後はこのプログラムされた仮想世界を肯定して終わっている
しかし彼はどこまで気づいているだろうか?
その仮想世界にはプレイヤーの嘘を拒否した明確な意思があった事を
ウィルスの存在を感知し逃げるよう促す意思があった事を
彼らはこの世界で生きていた

長年のドラクエ5ファンほどオチにガッカリする?
ゲームは所詮虚実の世界だとバカにされた感じがした?
違うぞ!そこのお前!
この映画のバーチャル世界はただの虚実ではないのだよ
我々の長年の想いが込められた、意思を持つドラゴンクエスト5の世界だ
俺たちはゲームの世界から祝福されたんだ
わかったか!

個人的評価:★★★★☆(4.5)
次こそフローラ選ぶぞ度:★★★★


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[映画]ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」への2件のフィードバック

  1. ていこむ

    エヴァ最終回のおめでとう!
    という印象ですね私にはそれしか言えません

    返信

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