『消えた後継者』(88年)
『うしろに立つ少女』(89年)
発売からもう30年以上ですか、遠い昔の思い出ですねえ。
『うしろ~』はSFCのニンテンドウパワー書き換えリメイク版で
98年にもプレイしてますけど、そちらももう、20年以上になりますね。
いやあ懐かしい。
バーチャルコンソールなんかで細々とプレイできる状況にあるだけで、
それ以上シリーズ展開があるなんて思ってもみませんでしたから、
これ発表された時は驚きましたよ。
というか正気か?とも思いました(笑
だってねえ、今となっては古臭い選択式推理アドベンチャーで
それぞれ10時間もかからず終わるようなボリュームのソフトです。
それをフルリメイクなんてしたって、手間の割に売上が見込めるわけがありません。
だからシリーズ展開もなく骨董品のような扱いになっていたわけでね。
これをリメイクしようって人は余程このシリーズが好きなんだろうな。
きっと私と同様、子供の頃にワクワクしながら後編Diskを入れたりしてたんだろうな。
なら同じ思い出を共有する者として、ファミコン探偵倶楽部を嘗て愛した者の一人として
その熱意に応えないわけにはいかないでしょう!
『消えた~』は初リメイクですので、こちらのあゆみちゃんとは33年振りの再会となります。
あらやだ、あなたちょっと会わない間に随分美人になったわねー。
98年に『うしろ~』がリメイクされた時も美人になったなあと思ったものだけど、
表現力の向上素晴らしい。
声は97年SFCサテラビュー版『BS探偵クラブ 雪に消えた過去』に引き続いて皆口裕子さん。
私のようなおっさん年代にとっては、YAWARA!の声優さんと言えば詳しくない人でもわかるでしょう。
33年前はまだ私もハナタレ小学生でした。
あの頃君はずっと歳上のお姉さんだったけれど、今では娘ほど歳下になってしまったよ・・・。
ファミコンのグラフィックなんてかなりショボかったにも関わらず、
当時の私はあゆみちゃんがとても好きなガキンチョでありまして、
このシリーズを追っかけてたのはひとえに彼女に会いたいが故でございました。
あゆみちゃん、思い詰めると一服盛っちゃうちょっとヤバい娘なんですけど
そこがまたカワイイんだ(笑
当時の新作価格、前後編で各2600円は小学生には高額です。
だから少しして安価でディスクを書き換えできるサービスを心待ちにして、
解禁したら500円をバリバリ鳴る財布に放り込み、
近くのデパートまでチャリンコ漕いでった少年の日の思い出。
表現力や容量が大きく上がった事で、綾城家の成り立ち等もこんな感じで
グラフィカルに説明され、よりわかりやすく雰囲気もアップしてますね。
キャラも声が出るだけじゃなく、細かくアニメーションして演技していて、
結構手間暇かけて作ってある。
リメイク版は駅員さんや秘書さんなどのような脇役も
きちんと表情や演技を作り込んでいるので、一人ひとりのキャラに対する愛着が持てますね。
FC版ではイマイチ印象薄かったイメージですが、どちらも良いキャラしてました。
場面が写った瞬間、重要な小物が描かれていたりすると
あーあれあれ、あれだよ、しっかり描きこんであるなあ、
と記憶が蘇り嬉しいやら懐かしいやら。
うん、思い出を楽しむという意味では買って良かった。
ただまあやっぱり、話は知っているしオーソドックスだしで、
凝りに凝った今時の推理モノとどうしても比較してしまう以上、
今となっては物足りないかなあとは思います。
それと当時小学生だった自分にはそれほど疑問を感じなかったものの、
大人になってプレイしてみると、こんな少年に殺人現場で調査させたりしないだろうとか、
有名な探偵だからって警察協力しすぎだろとか、色々違和感はありますね。
そんな細かいところが気になっちゃう、大人になるって嫌あね。
リメイクにあたって一番楽しみにしていたのは
『うしろ~』屈指の名シーンである犯人の独白~衝撃の被害者登場の部分。
ここはSFC版が素晴らしかったのでそれを上回るか期待していたのですけれど
ちょっと及ばなかったかな?
下の文章エリアでセリフより先にバラしちゃうのはナシでしょう。
声優さんの絶叫が非常に良い演技してただけに勿体なかった。
セリフをAUTOにしてた自分が悪いんですかね?
それと廊下を、カツーン…カツーンと足音迫ってくるシーン。
あれもSFC版は本当に素晴らしい演出でしたので、
それをそのまま再現するのは良いのですが折角表現力が上がってるわけですから、
何かしら更なる工夫が欲しかったかなあ、と。
まあ、わがままかもしれませんが。
『うしろ~』はSFCリメイク版にもあった「性格診断」と
「あゆみちゃんラブラブチェック」が今回も健在でした。
私の結果は、あんまりラブラブじゃありませんでした(´・ω・`)
なんでや!
コレクターズ・エディションには初代も含めた設定資料集や
サウンドトラックCD、復刻版のチラシなんかもあって、
完全にオールドファン向けな本作。
何もかもが新鮮だった少年の頃を思い出しながら楽しみたいファンならば
買って損はないのではないでしょうか。
ともあれ、完全に死んだシリーズだと諦めていたファミコン探偵倶楽部を
こういった形で復刻して下さってありがとうございます。
制作してくれたスタッフに感謝を。